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2011年6月 4日 (土)

福島第1原発の作業員2人から、多量の放射性ヨウ素が検出された

[報道より]

福島第1原発の作業員2人から、多量の放射性ヨウ素が検出された問題で、東京電力は2人の線量が650ミリシーベルトを上回る可能性があると発表した。
この2人は30代と40代の男性社員で、内部被ばく線量の評価はそれぞれ、210~580ミリシーベルト、200~570ミリシーベルトになるという。
この結果、外部被ばくを加えた被ばく線量は、上限の250ミリシーベルトを超えたのは確実で、650ミリシーベルトをも上回る可能性があるという。

[報道内容はここまで]

 さて・・・原子力発電所で「放射線業務従事者」として、放射線管理区域で作業を行う為の手続きとして、法律で定められた時間行なう「放射線防護教育の受講」があります。その中に「放射線の人体に対する影響」と言う項目がありますので、以下その紹介。

 まず最初に、「放射線の人体に対する影響」には、「しきい値」のある影響と、「しきい値の無い」影響があります。

A002_2

 上の図の様に、「しきい値」のある影響を「確定的影響」と言い、「しきい値の無い」影響を「確率的影響」と言います。

A001_3

 しきい値の有る「確定的影響」には、脱毛、不妊、急性皮膚障害、白内障等があり、しきい値の無い「確率的影響」に、遺伝的障害やガン等があります。

A003_2

 テレビ等で良く見る上の図は、しきい値の有る「確定的影響」のみを表している事に注意して下さい。今回の福島第一原発での作業員の被ばくは、およそ650ミリシーベルト。せいぜい自覚症状の「嘔吐」が現れ、末梢血中のリンパ球が減少する程度と思われますが、大切なのは、しきい値の無い「確率的影響」による「発ガン」のリスクでしょう。

 多量のヨウ素131が検出されたと言う事は、ヨウ素が甲状腺に集まりやすい性質を持っている為、現実にチェルノブイリ原発の事故の時のように「甲状腺ガン」の発生確率が格段に上昇すると言う事です。

 「確率的影響」と言うのは、現れない事もあるので何とも言えませんが・・・。

A004_2

 上の表が、通常時の放射線業務従事者の「線量当量限度」です。今回の福島第一原発は「特別な緊急時」と言う事で、[250ミリシーベルト/年]の基準が適用されましたが、福島原発周辺の一般公衆に[20ミリシーベルト/年]が適用された事には正直「びっくり」です。(考え様によっては、女性や子供も含まれる事から、放射線業務従事者の線量当量限度よりもユルイ・・・)

 ALALAの精神に基づいて合理的に達成可能な限り線量当量を低くし、「確率的影響」の発生確率も合理的に達成可能な限り低く抑える事が必要ですよね・・・。

 周辺地域の土壌の放射性物質の除去は、行政が「合理的で無い」と判断したのかな?

ANJIN

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コメント

正確な実情はなかなか知り得ませんので貴重な情報を教えて頂け感謝しております。ありがとうございました。

投稿: | 2011年6月 5日 (日) 23時32分

「原発奴隷」???は知りません。原発労働者は、少なくとも自分の意思で被ばくしながら働いています。(原発で働らく様に仕向けられた人も居るとは思います。)  昔「原発ジプシー」と言うタイトルの本が売られていたのは知ってます。
 私も大学を卒業してから原子力関連会社に就職した後、最初に読まされました。
 今思うと、誇張はしていると思いますが、大筋で実話が纏められていましたね。(勘違いによる誤解も結構見受けられましたが、それが実際に体験した人には事実なんでしょう。)
 ホームレスの方が自分の意志とは関係無く働かされている様な事は、私の知る限りは有りませんでした。
 ちなみに、私はA教育やBC教育の講師もしていましたが、文盲の人が教育を受けに来て、何度も再試験を受けて居たのは事実ですし、体中刺青だらけの人がヤクザ家業から足を洗って働いている人が多いのも事実ですが、最初から堅気で働いている人よりも真面目な人が多かったし、気さくな人が多い様に感じました。

ANJIN

投稿: ANJIN | 2011年6月 5日 (日) 19時10分

ご丁寧に分かりやすく
ご回答して下さり
ありがとうございました

投稿: | 2011年6月 5日 (日) 09時10分

福島の事故の後知ったのですがいわゆる『原発奴隷』の話は事実なのですか?ホームレスの人などが使い捨て要員の様に危ない仕事をさせられていると言う…。それを知り誰かの犠牲の上で発電された電気を自分が使ってきたのかもしれないと考えると気持ちが滅入ってしまいました。

投稿: | 2011年6月 4日 (土) 20時50分

コメント有難うございます。
通常の定期検査等では、作業内容毎に1日の被ばく線量が計画されるのですが、多くて1日1ミリシーベルトです。
 しかも、通常はは年間20ミリシーベルト以内で放射線管理区的への立ち入りを制限します。(1年間20ミリシーベルトなら、5年で100ミリシーベルトの法令基準値を満たす事が出来ます。)
 1年間で50ミリシーベルトも被ばくしてしまうと、2年で100ミリシーベルトとなり、残りの3年は放射線管理区域内で作業を行う事が出来なくなるからです。
 放射線業務は労働安全衛生法上「有害業務」とされています。(1日の管理区域内への入域可能時間も制限されています。)
 3月中旬から現在までの2ヶ月半位の期間で650ミリシーベルト以上の被ばくと言うのは、悪くすると自覚症状も現れる位(発生させてはいけないとされる確定的影響が現れる程)の被ばくをしたと言う事です。
ただし、内部取り込みによる被ばくが有効半減期を考慮した、今後も継続して受けるであろう被ばくが含まれているのか、現在時点の被ばくのみの計算なのかが報道を見るだけでははっきりしませんでしたから、その程度によって人体に与える影響も変わってきます。

ANJIN

投稿: ANJIN | 2011年6月 4日 (土) 19時56分

普段なら原子力発電所で働いて650ミリシーベルトも放射線量をあびる事はないですか

投稿: | 2011年6月 4日 (土) 19時14分

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