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2011年3月22日 (火)

核分裂生成物

今日は、今後東北方面で直面するであろう、放射性同位元素による食物の汚染について。空気中に放出された放射性同位元素は、風に乗って世界中に降り注ぐのです。

東京電力福島第一原子力発電所で使用している燃料をウラン235と仮定すると(実際にはプルトニウム239との混合燃料であるMOX燃料も使用されている。)、ウラン235に熱中性子をぶつけて核分裂を発生させた場合、核分裂収率にしたがって質量95前後の物質と質量140前後の物質が出来上がる。(常に真っ二つに割れる訳ではなく、いびつに二つの物質が出来上がるんです。)

難しく書こうとするといくらでも話が複雑になり、およそ70種類もある核分裂生成物壊変系列を羅列するのは面倒だし、娘核種や平衡の話までしなくてはいけなくなるので、ここは簡単に代表的な放射性同位元素と人体に対する影響まで!!

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[放射性同位元素]

3H(トリチウム)半減期12.3年

 水の形で人体に取り込まれ、全身に均等分布する。突然変異の原因となる。

14C(炭素14) 半減期5,730年

 全身に均等分布し、突然変異の原因となる。

32P(リン32) 半減期14.26日

 骨に集積され、白血球減少等の症状が出る。

40K(カリウム40) 半減期1,280,000,000年

 全身に均等分布し、突然変異の原因となる。

45Ca(カルシウム45) 半減期164日

 骨に沈着し、白血病の原因となる。

59Fe(鉄59) 半減期44.5日

 骨髄に沈着し、白血病の原因となる。

60Co(コバルト60) 半減期5.27年

 肝臓、脾臓、下部消化器に沈着し、肝臓ガンの原因となる。

65Zn(亜鉛65) 半減期244日

 肝臓や骨に集積され、肝臓ガン、骨腫瘍の原因となる。

90Sr(ストロンチウム90) 半減期28.8年

 カルシウムと代謝が似ていて、骨への沈着が多い。骨腫瘍や白血病の原因となる。主に消化管から吸収される。

131I(ヨウ素131) 半減期8.04日

   揮発して気道から吸収されやすい。甲状腺に選択的に取り込まれ甲状腺がんや甲状腺機能低下となる。

137Cs(セシウム137) 半減期30.0年

 筋肉や全身に分布し、白血病や不妊の原因となる。

226Ra(ラジウム226) 半減期1,600年

 骨に集積され、骨腫瘍や白血病の原因となる。

232Th(トリウム232) 半減期14,100,000,000年

 肝臓、骨、肺に集積され、肝臓ガン、骨腫瘍、肺ガン、白血病の原因となる。

238U(ウラン238) 半減期4,468,000,000年

 腎臓、骨、肺に集積され骨腫瘍、肺ガン、白血病の原因となる。

239Pu(プルトニウム239) 半減期24,120年

 肝臓、骨、肺に集積され、肝ガン、骨腫瘍、肺ガン、白血病の原因となる。

241Am(アメリシウム241) 半減期432.2年

 骨に集積され、骨腫瘍、白血病の原因となる。

 可溶性のプルトニウム(Pu-239)を摂取すると、大部分は肝臓と骨に集まりますが、粉塵とともに吸入されると肺に沈着します。これら放射性物質が化合物となっている場合は、その化学形が集積部位及び程度に大きな影響をもたらします。

ここに記載した放射性同位元素は、自然界に存在するもの、核分裂生成物、人工的に中性子照射等で作ったもの、原子力発電所等の腐食生成物があります。

また、半減期については物理学的半減期、生物学的半減期、実効半減期、等があり、人体に対する影響については実効半減期を用いる事が正しいのでしょうが、放射性物質の形態(化合物の性状)によって変化する為、物理学的半減期のみを掲載しました。

ANJIN

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コメント

立派な机上の空論ありがとう。

投稿: | 2011年5月24日 (火) 14時11分

読んでみました。
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html
ほとんど真実だと思いますが、あらゆる産業にいえる事なので、原発だからこそ許されない実態でしょうね。

投稿: ANJIN | 2011年4月 2日 (土) 19時17分

突然のコメント失礼します。
興味深いブログで貴重な情報ありがとうございます。
昨日第一原発敷地内からプルとニュウムが検出されました。またいつものごとく”大本営発表”ではただちに健康に影響がでるレベルではないといっていますが・・・。

ところでANJINさんはここについて現実とお考えでしょうか?
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html

お時間あれがお答えいただけると幸いです。

投稿: jiji | 2011年3月29日 (火) 10時19分

放射線業務従事者が法律で認められている被ばくは年50ミリシーベルト、5年で100ミリシーベルト。ただし緊急時には一度に100ミリシーベルトとなっています。
こんなに想定外の事故には法律がついて行けないので、急遽最大250ミリシーベルトとしたものと思われます。(法律の世界でもこんな原発事故は想定外)
実際の所、結構労災は認められますよ!!

ANJIN

投稿: ANJIN | 2011年3月26日 (土) 16時32分

以下のサイトに「原発作業員が白血病を発症してもめったに労災とは認められない」「被曝線量の上限を250Svに上げたのは作業員が死亡しても補償を免れるため」とありましたが、本当にこんな酷いことが行われているのですか?

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/110324/cpd1103240808015-n1.htm

投稿: アライ | 2011年3月24日 (木) 22時14分

そうですね、まだ見守る必要がありそうですが、電源が回復したのは大きいですね。
冷却装置が正常に動作して、燃料の温度を安定させる事が出来たら一安心ですね。
 特に2号機は原子炉格納容器を構成するサプレッションチェンバーが破損しているので、破損した全ての原子炉建屋をコンクリートなどで密封しないと「安全」とは言えないですね・・・。

投稿: ANJIN | 2011年3月23日 (水) 00時00分

分りやすい解説、ありがとうございます。事故の状況が悪化したため、娘はマレーシアの家族のところに避難させています。少しずつ状態が好転しているようで、ありがたいです。最悪の事態が起こらないと判断できれば帰国させたいのですが、その判断基準はどんなことになるでしょうか。まだ、最悪の事態が回避されたとは思えないのですが。

投稿: アライ | 2011年3月22日 (火) 23時10分

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