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2007年3月25日 (日)

MOX燃料

 原子力事業者は、今まで「日本の原子力発電設備は安全であり、臨界事故は有り得ないし事故の想定もしていない。」と言い続けてきました。(臨界事故が発展するとメルトダウンとなります。)

 その根拠は、「燃料としているウラン235の濃度が2~3%(残りの約97%は一般的に劣化ウランと言われているウラン238)と、低濃縮であり、軽水炉の構造上中性子の減速材として軽水を使用している(ウラン235は、熱中性子(減速させないと)にしないと核分裂が効率的に継続しない。)事から、仮に制御棒が入らずに臨界状態を制御出来なくなっても、軽水が沸騰して気泡が多く発生すると中性子を減速させる効果が薄れ、臨界状態は自然に終息する筈である。」と説明されてきました。

 しかし・・・

軽水炉が通常の運転をされている状態でも、徐々に進行している反応に、ウラン238に速中性子がぶつかると中性子を吸収し、プルトニウム239になる現象!!プルトニウム239は、熱中性子(減速された中性子)ではなく、減速されない速中性子で核分裂反応が継続します。(高速増殖炉の減速材や冷却材にナトリウムを使用するのは、熱効率が良い事に加え中性子を減速させないからです。)

ちょっと前から話題となっているMOX燃料とは、この時に軽水炉の原子炉内で生産されたプルトニウム239の核分裂反応による熱の発生が、燃料交換時期になると無視出来ない位に多くなる事から考案された、「それなら最初からプルトニウム239とウラン235の混合燃料で発電してしまおう!!」といったウラン235とプルトニウム239の混合燃料である。したがって、一般のウラン235を燃料とした軽水炉も、燃料交換時期まで運転を続けるとMOX燃料を使用して発電しているのと同じ様な状態となります。

 「これを核燃料リサイクルと関連付ければウハウハじゃ!!」

 もしも一般の原子力発電設備の燃料交換時期(プルトニウム239による核分裂反応が増加している状態で)に制御棒の操作が正常に行なわれない事故が発生し、臨界状態が制御出来なくなった場合、原子炉の内部では軽水の沸騰によってウラン235による核分裂は終息されるかも知れないが、減速されない速中性子は更にウラン238をプルトニウム239にし、通常の運転で生産されたプルトニウム239と合わせてこれらの核分裂による臨界事故に発展する恐れがある。

 今の状況では、原子力の安全神話は崩壊ですな・・・。

それでも、資源の乏しい日本には原子力発電は代替エネルギーが実用化されるまでの「つなぎ」として必要!!

情報を公開した安全対策を望みます。

あんじん

Nn_01_20000916 画像は、今話題の北陸電力志賀原子力発電所の取水口の写真です。

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2007年3月19日 (月)

北陸電力(株)志賀原子力発電所1号機臨界事故

 ちょっと遅くなりましたが、北陸電力(株)志賀原子力発電所1号機臨界事故(原子炉の核分裂が制御出来なくなったんです。)。8年前の事故隠蔽が今更のように出てきました。1999年に行なわれた1号機第5回定検工事に入る為、原子炉出力を下げようとした時に発生した事故ですね!!実際に制御棒が抜けなくなったり、入らなくなったりする故障はしょっちゅう発生します。このまま臨界が進んでいたら大惨事になっていたでしょうね!!(チェルノブイリ原発事故と似たような事故の一歩手前でした。)

北陸電力(株)は、国内の原子力発電所に於いて臨界事故(制御不能事故)が起こり得る事を証明してくれました。(臨界事故が発展するとメルトダウンとなります。)

 私はその時・・・と言うと、核燃料サイクル開発機構ふげん発電所第14回定検工事や日本原子力発電(株)敦賀原子力発電所1号機第17回定検工事(有名な炉心シュラウド交換工事です。)に従事していた為、北陸電力(株)志賀原子力発電所1号機の臨界事故に遭遇する事はありませんでした。

 しかし・・・その事故の前後(北陸電力(株)志賀原子力発電所1号機第4回定検工事及び第6回定検工事)の定検工事にはしっかりとおじゃましていましたので、何と運の良い事か!!

 それでは、志賀原子力発電所1号機の臨界事故の発生した時には誰が行っていたのか?と言うと、私の後輩が放射線業務従事者として従事していました。当時を振り返ると、定検工事に従事していた従事者には緘口令が敷かれたものの、「オフラインだけどそんな事があったよ」程度の情報は私の耳にも入ってきていました。(ただし、報告の義務を怠っていたとは知りませんでした。)どちらかと言うと、国家ぐるみの隠蔽かと思っていました。

 まー、こちらの発電所を建設したのは(株)日立製作所。定検工事も勿論(株)日立製作所が主体となって執り行なわれています。日本では既にABWR(再循環ポンプ内蔵型)の時代になっているのに、あえてBWRを建設した電力会社は面白いですな。

 しかも、加賀百万石(金沢)の体裁を気にしすぎる土地柄の染み付いた電力会社で、事も有ろうか法律無視の情報隠匿を行なっていたとは・・・。

 こんな電力会社が運転する原子力発電所は、「ホウ酸水プール受け付き原子力発電」しかありませんな・・・・

Nn_01 画像はまさしく北陸電力(株)志賀原子力発電所1号機と同じタイプの原子力発電所系統図の原子炉格納容器の下部にホウ酸水プールを設置した図です。

 こんな電力会社にも運転できるように、原子炉格納容器下部に中性子を吸収するホウ酸水を張ってみました。

 原子力発電所で使用されている燃料は核爆弾と異なりU-235の低濃縮燃料を使用しているので、臨界が続いて制御不能になってもいきなり周囲の物質が昇華する事は無く、マグマの様に下に向かって溶け出す筈です。そこで、溶け出したウラン燃料を分散して受けるホウ酸水プールが最後の砦となります。(株)日立製作所は、核融合の実験設備であるJT-60Uの真空容器内に張ってある耐熱タイルのメンテナンスも行なっているので、材質の耐熱セラミック等はお手の物でしょう!!これに圧力逃がし弁でも設置しておけば、最悪の事態(自然の力で終息する災害)は防げます。

重要なのは、事故が発生しても「あくまで人の制御している範囲の事故」である事!!

臨界事故になっても、ほっておけば周囲の物質を溶かしながら重力の方向に進んで行くと思われますが、ウランの濃度(中性子束)が薄まると自発核分裂は終息します。ただし、事故が発生した時に人類が(事故を)制御(想定した範囲で)出来ているか?それとも自然の力で終息するのかが重要なポイントとなります。

 まー・・・ルールを守ればこんな設備は要らないのですけど・・・。

あんじん

 

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